O様ご訪問

2014年05月23日

■今回は相模原市内に倉庫物件をご所有のO様を訪問させていただきました。
O様は昭和40年代から倉庫の賃貸事業に取り組んでこられたベテランオーナーでいらっしゃいますが、一方で本格的なトマト生産者としても有名です。相模原市横山台の直売所で週に3日販売する野菜類は地元の奥様方に大人気です。また、O様の奥様が作られるトマトソースがテレビ番組「どっちの料理ショー」でとりあげられてからネット上でも評判の商品となっています。

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actio 遠藤(以下:遠藤):こんにちは。夏野菜の収穫でお忙しい中、恐縮です。今の時期は主に何を作られているのでしょうか?

O様:茄子、トマト、ミニトマト、西瓜、南瓜、いろいろやってますよ。
遠藤:私どもで管理させていただいている倉庫は何時ごろ建築されたのでしょうか?昭和42,43年ごろですか?

O様:その頃はまだ畑だったのじゃないかな。それより2,3年後だと思うよ。北側の棟を先に建てて、隣はまだ畑だったよ。トラクターに子供を乗せていって、一人背負って畑を耕したことを覚えているよ。1棟目が完成して4年後に2棟目を作ったのじゃないかな。

遠藤:貸し倉庫業に取り組まれたのは収入の分散化を考えてですか?


O様:倉庫事業に取り組んだのは近隣では一番遅かったように思うよ。周りが倉庫を建てるようになってお宅もそろそろどうだって以前市長をされていた小川さんに勧められたんだよね。

遠藤:倉庫賃貸業と農業の組み合わせには経営上のメリットがおありですよね。

O様:農業の収入のほかに、倉庫と貸家の収入があるおかげで経営は安定するよね。安定していれば後継者も出てくるわけだよ。

遠藤:都市型農業のポイントですね。

O様:そうだよ、不動産収入があればこそ農業経営も継続できるんだよ。

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O様:数年前にカイヨウ病が出て作物が全て駄目になった。原因をいろいろ調べてみたが分からなかった。結局種苗そのものにあったようだね。

遠藤:そのような時には農業以外の収入が役に立ちますね。

O様:そうだね。倉庫や他の不動産収入があるということで経営の安定化が図れるんじゃないか。これからの都市型農業はますますこういう形になっていくでしょう。生産緑地を維持していくことはだんだん難しくなるよ。

遠藤:トマトソースはテレビで取り上げられてから評判のようですね。

O様:家族でやっていることだから売上といっても大したことないんだけどね。

遠藤:お忙しいところありがとうございました。

O様は農作業のお手伝いをされている援農さんとお昼休みをとりにご自宅に戻られました。
「援農さん」はJAと職業安定所が協力して始めた農業への就労希望者を職安が農家に斡旋する制度によって農作業をお手伝いいただく方々のことです。中高年でそれまでの勤務先を退職された方々の中には農業に興味をもたれる方も多いようで、O様のような大規模生産者にとっては非常に助かる仕組みのようです。
今回の訪問では都市型農業がかかえる諸問題を前向きに解決してきたO様の工夫や努力がうかがわれ、大変有意義な訪問となりました。

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O様野菜は畑のそばの直売場でお求めになれます。

所在地 相模原市横山台1-38
開店時間 毎週 月・水・土 14時から17時まで